韓国の賃貸では、毎月の家賃の代わりに高額の保証金を一括で預ける「チョンセ(全税)」という独特の制度があります。退去時に全額返還されるのが原則ですが、その金額が大きいため、これを狙った詐欺被害が後を絶ちません。言語や制度に不慣れな外国人は特に標的になりやすく、契約前の備えが何より重要です。
契約前に必ず権利関係を確認する
契約を結ぶ前に、その物件の登記簿(不動産登記事項証明書)を確認し、所有者が本当に契約相手と一致しているか、抵当権や他の債務がどの程度設定されているかを必ずチェックしてください。物件の価値に対して借入や先順位の保証金が過大な場合、いざというときに自分の保証金が返ってこない危険があります。代理人と契約する場合は、正当な委任があるかの確認も欠かせません。
住民登録と確定日付で順位を確保する
韓国では、入居後に転入届(住民登録)を行い、賃貸借契約書に確定日付を受けることで、保証金返還について一定の優先的な地位を得られる仕組みがあります。さらに保証金返還を確実にするための制度の利用も検討すべきです。これらの手続きを怠ると、物件が競売にかけられた際などに保証金を十分に回収できないおそれがあります。
被害に遭ってしまったら
保証金が返還されない、契約内容が偽りだったといった場合、状況によっては民事上の返還請求に加え、詐欺として刑事告訴を検討できることがあります。証拠として契約書、送金記録、相手とのやり取りを保存しておきましょう。被害回復には時間がかかるため、早期の対応が重要です。
確認チェックリスト
所有者の本人確認、登記簿上の権利関係、保証金の相場との釣り合い、入居後の転入届と確定日付——この四点を押さえるだけで、多くの被害は未然に防げます。
住居の保証金は生活の土台となる大切な資金です。契約前の物件確認や、被害後の回収手続きには専門的な知識が求められます。民相彬弁護士および専門チームが、契約のチェックから被害対応まで力になります。少しでも不安があれば、契約前にご相談ください。