民事

韓国でチョンセ・保証金が返ってこないとき:外国人のための回収手順

保証金が返らないときは、まず内容証明で請求し、賃借権登記命令で優先権を確保したうえで返還訴訟を起こします。

韓国で部屋を借りた外国人がもっとも不安を感じるのが、退去時に保証金(보증금、デポジット)が返ってこないトラブルです。チョンセ(전세、大きな保証金を預けて家賃を払わない方式)でもウォルセ(월세、保証金+毎月の家賃方式)でも、大家(임대인)が返金を渋るケースは珍しくありません。言葉の壁があっても、法律で守られた回収手段が用意されています。

賃借人を守る法律

韓国では住宅賃貸借保護法(주택임대차보호법)が賃借人(임차인)を保護しています。転入届(전입신고)と確定日付(확정일자)を備えていれば、大家が物件を売却したり別の債権者がいたりしても、保証金について優先的に弁済を受ける権利が認められます。この対抗力(대항력)を失わないことが回収の鍵になります。

保証金回収の手順

  1. まず大家に対し、内容証明郵便(내용증명)で保証金の返還を正式に請求し、記録を残します。
  2. 引っ越しが必要なのに保証金が未返還の場合は、家庭の事情で退去しても優先権を失わないよう、賃借権登記命令(임차권등기명령)を裁判所に申請します。これにより登記が完了すれば、転出しても対抗力と優先弁済権が維持されます。
  3. 登記後に安心して退去し、引き続き返還を求めます。
  4. それでも返金されない場合は、保証金返還訴訟(보증금 반환소송)を提起し、判決を得ます。
  5. 判決後も支払わないときは、強制執行(강제집행)により大家の財産や物件から回収します。

外国人が特に注意すべき点

転入届と確定日付を退去前に解消してしまうと、優先権を失う恐れがあります。賃借権登記命令を経る前に転出しないよう注意してください。書類はすべて韓国語で進むため、内容を理解しないまま署名しないことも大切です。

保証金回収は手順を誤ると権利を失いかねない分野です。韓国の弁護士であるミン・サンビン(法務法人テジン、日本語対応)が、登記命令の申請から訴訟・強制執行まで一貫して対応します。返金を拒まれてお困りの方は、退去前の早い段階でご相談ください。

よくあるご質問

保証金が返ってくる前に引っ越しても大丈夫ですか?
そのまま転出すると対抗力や優先弁済権を失う恐れがあります。引っ越しが必要な場合は、退去前に賃借権登記命令を裁判所に申請し、登記を済ませてから出ることが重要です。これにより転出しても優先権が維持され、保証金を安全に回収できます。
賃借権登記命令とは何ですか?
賃借権登記命令(임차권등기명령)は、保証金が未返還のまま退去せざるを得ないときに、優先弁済権を保ったまま引っ越せるよう裁判所が登記を命じる制度です。住宅賃貸借保護法に基づくもので、登記が完了すれば住所を移しても権利が守られます。
訴訟まで進むと時間と費用はどれくらいかかりますか?
事案によって異なるため一概には言えませんが、内容証明での請求で解決することもあれば、訴訟と強制執行まで進む場合もあります。具体的な見通しや費用は個別の状況で変わるため、まずはご自身のケースについて相談し、回収の道筋を確認することをおすすめします。

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