韓国で部屋を借りた外国人がもっとも不安を感じるのが、退去時に保証金(보증금、デポジット)が返ってこないトラブルです。チョンセ(전세、大きな保証金を預けて家賃を払わない方式)でもウォルセ(월세、保証金+毎月の家賃方式)でも、大家(임대인)が返金を渋るケースは珍しくありません。言葉の壁があっても、法律で守られた回収手段が用意されています。
賃借人を守る法律
韓国では住宅賃貸借保護法(주택임대차보호법)が賃借人(임차인)を保護しています。転入届(전입신고)と確定日付(확정일자)を備えていれば、大家が物件を売却したり別の債権者がいたりしても、保証金について優先的に弁済を受ける権利が認められます。この対抗力(대항력)を失わないことが回収の鍵になります。
保証金回収の手順
- まず大家に対し、内容証明郵便(내용증명)で保証金の返還を正式に請求し、記録を残します。
- 引っ越しが必要なのに保証金が未返還の場合は、家庭の事情で退去しても優先権を失わないよう、賃借権登記命令(임차권등기명령)を裁判所に申請します。これにより登記が完了すれば、転出しても対抗力と優先弁済権が維持されます。
- 登記後に安心して退去し、引き続き返還を求めます。
- それでも返金されない場合は、保証金返還訴訟(보증금 반환소송)を提起し、判決を得ます。
- 判決後も支払わないときは、強制執行(강제집행)により大家の財産や物件から回収します。
外国人が特に注意すべき点
転入届と確定日付を退去前に解消してしまうと、優先権を失う恐れがあります。賃借権登記命令を経る前に転出しないよう注意してください。書類はすべて韓国語で進むため、内容を理解しないまま署名しないことも大切です。
保証金回収は手順を誤ると権利を失いかねない分野です。韓国の弁護士であるミン・サンビン(法務法人テジン、日本語対応)が、登記命令の申請から訴訟・強制執行まで一貫して対応します。返金を拒まれてお困りの方は、退去前の早い段階でご相談ください。