離婚に際して、夫婦が築いた財産をどのように分けるか――この財産分与は、離婚後の生活設計を左右する重要な問題です。誰の名義になっているかだけで結論が決まるわけではなく、婚姻中の貢献が公平に評価される点を理解しておくことが大切です。
分与の対象となる財産
財産分与の対象は、原則として婚姻期間中に夫婦が協力して形成した財産です。預貯金、不動産、退職金見込みなど、名義が一方であっても共同の貢献で得られたものは対象になり得ます。一方、結婚前から各自が持っていた財産や、相続・贈与で得た固有財産は、原則として対象外とされることが一般的です。
ただし固有財産であっても、その維持や増加に他方が貢献した場合には、その分が考慮されることがあります。財産の性質を正確に区別することが、適切な分与の出発点になります。
寄与度の評価と請求方法
分与の割合は、財産形成に対する各自の寄与度に応じて定められます。収入を得る形での貢献だけでなく、家事や育児による貢献も評価の対象となります。専業で家庭を支えてきた配偶者の寄与が認められるのはこのためです。
財産分与は、離婚そのものとあわせて、または離婚後一定の期間内に請求できます。期間を過ぎると請求できなくなるおそれがあるため、放置は禁物です。まずは対象財産の全体像を把握することが欠かせません。
準備しておくこと
不動産登記、預貯金の取引履歴、保険、年金、負債など、夫婦の資産と債務を一覧にしておきましょう。相手が財産を隠す懸念がある場合には、早い段階での保全措置を検討する必要があります。
外国人配偶者が見落としやすい点
海外にある資産や本国の財産が分与の検討対象になり得ること、また負債も分与の計算で考慮されることを見落とすケースが少なくありません。名義だけで「自分のもの」と決めつけるのも危険です。
財産分与は事実関係の整理と評価が結果を大きく左右します。正当な取り分を確保するために、財産の状況を整理したうえで弁護士にご相談ください。具体的な資料をもとに、見通しと方針をご説明いたします。